北海道のプロ野球球団「北海道日本ハムファイターズ」は、2023年に「札幌ドーム」から北海道北広島市に建設された「エスコンフィールドHOKKAIDO」に移転します。
そうなると単純に「札幌ドーム」はファイターズ分の収益を得ることが出来なくなるため、収益が減少する予定となります。補填分は税金で賄うみたいな話が出ている中、札幌市は対策を打ち出しました。その対策を一覧として掲載していきます。
何年後かこのページの答え合わせをしていきたいですね。
簡単にファイターズが札幌ドームから出て言った理由
ファイターズ移転により廃止・閉店するサービス
■広告激減(一、三塁側フェンスから企業名が消える)
■シャトルバスJR白石駅・南郷18丁目駅発着便 運行休止
■公衆電話及びWi-Fi廃止
■イオン銀行 廃止
■グッズショップ Goods☆jam 営業終了
■飲食店
・エスコンフィールドへ移転
ピザーラ(宅配ピザチェーン)
串鳥(焼き鳥チェーン店)
銀だこ(たこ焼きチェーン店)
・営業終了
スポーツスタジアムサッポロ(レストラン)
グル麺ドーム(ラーメン店)
勝つ丼 どーむ庵(丼もの屋)
おおーい北海道(居酒屋)
鉄板 鐵一(鉄板焼き屋)
収益予想 ※札幌ドーム側の主張
※2022/05/27発表
※23年度以降は見込み ▲は赤字
年度 | 売上高 | 当期純損益 |
---|---|---|
2019年度 | 39億7200万円 | 1億8800万円 |
2023年度 | 15億3500万円 | ▲2億9400万円 |
2024年度 | 19億1200万円 | 3100万円 |
2025年度 | 19億9900万円 | 1億500万円 |
2026年度 | 19億9600万円 | 1億800万円 |
2027年度 | 19億4600万円 | 5800万円 |
札幌ドーム、日ハム移転後も黒字 札幌市が23~27年度の収支試算
札幌市が、プロ野球北海道日本ハムが本拠地を移転した後の札幌ドーム(豊平区)の2023~27年度の収支見通しをまとめたことが27日、分かった。
札幌ドームの年間イベント日数は新型コロナウイルス禍前は130日前後で、ほぼ半分を日ハム戦が占めた。19年度には売上高39億7200万円を計上。だがコロナ禍の20年度は同18億6900万円に減少し、来春の北広島市への本拠地移転でコロナ禍と同等の減収が見込まれている。
市は収支見通しで、23年度はコロナ禍の影響が残るとして売上高15億3500万円と試算。24~27年度は同19億円台とみる。
一方、コンサドーレは23年度以降、全てのホーム戦をドームで開催することが決定。市は19年度比で6試合増の年20試合を想定する。また最大収容5万人超のドームではコンサートなどが大規模に限られるため、市は一定の需要が望める1万~2万人規模の催しを見込み、22年末をめどにドーム内を間仕切りする大型ロールカーテンを設置。24年度以降、19年度比で8回増の年22回のコンサートが開かれると見積もる。
これらの対策で、純損益は23年度は約3億円の赤字を見込むが、24年度以降は黒字に転じ5年間の累計で900万円の黒字とする。
(北海道新聞)
https://news.yahoo.co.jp/articles/976670672d432f65555cac49fc6e602929e4d943
実際の収益
年度 | 売上高 | 当期純損益 |
---|---|---|
2019年度 | 39億7200万円 | 1億8800万円 |
2020年度 | 18億6800万円 | ▲8100万円 |
2021年度 | 31億8500万円 | 2億2400万円 |
2022年度 | 29億7600万円 | 1億2000万円 |
2023年度 | 12億7100万円 | ▲6億5100万円 |
2024年度 | ‐ | ‐ |
予定する開催イベント件数一覧
2019年度 | 2023年度 | 2024年度 | |
---|---|---|---|
プロ野球 | 62日 | 0日 | 0日 |
プロサッカー | 14日 | 20日 | 20日 |
コンサート | 14日 | 22日 | 22日 |
展示会 | 8日 | 30日 | 26日 |
自主イベント | 9日 | 13日 | 13日 |
その他プロスポーツ | 3日 | 3日 | 4日 |
アマチュアスポーツ | 17日 | 27日 | 27日 |
合計 | 127日 | 107日 | 112日 |
開催イベント件数一覧
2023年度 | 2024年度 | |
---|---|---|
開催日数 | 98日(前期比26日減) | |
総利用日数 | 229日(前期比9日増) | |
稼動率 | 62.6%(前期比2.3ポイント増) | |
イベント来場者数 | 99万7千人(前期比40.7%減) | |
観光来場者・一般市民利用者ほか | 9万7千人(前期比12.7%増) | |
総来場者数 | 109万4千人(前期比38.1%減) |
ファイターズ移転後の黒字化プラン
上記の予定日数の詳細です。
プロサッカーの試合の集約
現在、札幌市内にある厚別公園競技場でも行われている北海道コンサドーレ札幌の試合を2023年度は札幌ドーム開催に一本化。
14試合(2019年度)から6試合増加の20試合(2023年度)に増やす予定。
ちなみに現在使用されている厚別公園競技場は、北海道コンサドーレ札幌のサポーターからは聖地と呼ばれている競技場である。
今後は札幌ドームが聖地となるのかもしれない。
6試合増えた程度なのが個人的にはかなり疑問点。
1~2万人規模コンサートへの対応
4万人規模のコンサートはそもそも国内ではそんなに需要は無いため、4万人強を収容できる札幌ドームを暗幕で仕切って規模を小さくし、2万人規模のコンサートを誘致する。
札幌市スポーツ局の深井貴広 企画事業課長は「札幌市には、これまで2万人規模で開催できるハコがなかった。積極的に営業をかけてきたい」とのこと。
展示会の日数拡大
展示会は現在8日間行われている件数を2023年度は30日間に増やす予定。
自主イベントの日数拡大
自主イベントは現在年間9日間行われているが2023年度は13日間と増やす予定。
札幌ドームのネーミングライツ化
札幌ドームの命名権を販売し収益を得たいという目論見。
札幌市内では2019年に札幌市中央体育館の命名権を、北海道ガスが15年で1億5000万で購入している実績がある。
札幌市スポーツ局 深井貴広 企画事業課長は「札幌ドームの命名権を募集する予定がある。少しでも広告料金を増やすため、有利な契約に結び付けられれば良いと思う。決して簡単な道ではないが、市民負担を招くことのないように努力していきたい」と話した。
しかし、プロ野球という大看板がなくなる札幌ドームの広告価値は低下する点が懸念される。
そもそも「エスコンフィールドHOKKAIDO」のインパクトが強すぎる印象。
ファイターズとは喧嘩別れの印象もあるので、この施設自体あまり良いイメージにはならないのではと個人的には思います。
札幌ドームが命名権公募スタート…日本ハムのエスコン移転で収入源確保へ
2024年1月10日 1時9分
札幌ドームが命名権(ネーミングライツ)スポンサーの募集を開始した。期間は2月29日まで。札幌ドームは04年から22年まで日本ハムが本拠地としてきたが、昨年から北広島市のエスコンフィールド北海道に本拠地を移転。収入源を確保すべく、命名権の公募を行う。
期間は2年から4年で、年2億5000万円以上を希望額としている。名称には「ドーム」を入れる必要がある。4月から新名称の使用を始める予定という。
https://hochi.news/articles/20240110-OHT1T51004.html?page=1
札幌ドームの命名権、タイムリミットまで応募なし…前回の“半額セール”で年間2億5000万円、期限を定めず募集延長 約10億円かけた新モード利用もわずか2件
札幌ドームのネーミングライツ=命名権の販売受付は、29日午後5時が締め切りでしたが、申し込みはありませんでした。札幌ドームは、受付の延長を決めました。
ファイターズが去った影響で、札幌ドームは今年度、約3億円の赤字が見込まれています。その対策の一つとして、新たに年間2億5000万円で命名権を販売、まとまらなかった前回=2010年の半額ですが、関心のある広告代理店や複数の企業から問い合わせはあったものの、正式な申し込みはありませんでした。
この結果を受け、札幌ドームは、今回の募集期間が1月9日から2月29日までの約2か月という短期間だったことも省みて、募集期間を期限を定めず延長することを決定しました。
札幌ドームは、約10億円かけて、ドーム内を巨大な暗幕で仕切り、2万人規模のコンサートなどを想定した「新モード」を導入するなど、新たな収入源を模索していますが、これまでの利用はラグビーワールドカップのパブリックビューイングなど2件だけ…完全に当てが外れた状況です。
札幌市の幹部も取材に対し「企業の投資に見合うイベント開催数がないといけない」と話すなど、危機感を募らせていますが、今後の見通しは不透明なままです。
ちなみに、公表されている主な球場の年間の命名権は、千葉ロッテマリーンズの「ZOZOマリンスタジアム」が3億1000万円(株式会社ZOZO公表)、広島東洋カープの「MAZDA Zoom‐Zoom スタジアム広島」が2億2000万円(広島市公表)、東北楽天ゴールデンイーグルスの楽天モバイルパーク宮城が2億100万円(宮城県公表)などとなっています。
北海道放送(株)
https://news.yahoo.co.jp/articles/8a435ced4f195b587287e8a920cff78f7652b746
その後の「株式会社札幌ドーム」側の発言一覧
2023年 定時株主総会
◇山川広行社長
・「長らく本拠地としていた日本ハムが23年春に新球場に移転し、大きな経営環境の変化が現実のものとなった。厳しく受け止め、反省している」。
・「やろうとしたことが思うように進まなかった。平日開催は頭の痛いところ。広告と平日ナイターがなくなり収益を上げるのが難しい。平日にプロ野球をやれたらいいが、やらせてくれないのでね」。
・「見通しが甘かった、には抵抗がある。思惑通りいかなかったのは事実だが、挑んだことに変わりはない。その辺をカバーして24年度の黒字化を目指したい」。
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